「紅の豚」の主人公ポルコ・ロッソ役やジャン・ギャバン、チャールズ・ブロンソンの日本語吹き替えなどで知られ、2021年に他界した声優で俳優の森山周一郎についてのドキュメンタリー。 かつてテレビが生放送だった頃、録音技術が未発達だったため吹き替えも生収録で行われ、NGを出さない舞台俳優が多く起用された。その中の1人であった森山は、独特の低音ボイスをいかして名優たちの吹き替えを担当し、アニメーション作品でも存在感を示して声優文化の発展に大きく貢献した。 「THE ANCESTOR」「アイアンプレッジ」で森山と組んできた小原正至監督が、森山の声優としての人生と後進への思いを映し出す。さらに劇団東芸時代の後輩である野沢雅子、先輩・大塚周夫の息子の大塚明夫、森山の初監督作「幻想のParis」に出演した中尾彬らが登場し、森山と彼らが生きた時代について語る。